猥褻なCM
午前中の主婦向けワイドショーの時間帯に目撃した、ハム会社のソーセージのCM。黒ずくめの集団（男女）が手にソーセージを持ち、隊列を組んで行進してくる。中心に有名男性俳優。表情は不自然に固まった笑顔。
そこはスーパーマーケットの店内のようで、黒ずくめの集団は２人の主婦らしき女性を、先端のとがったような、三角形に近い円形に取り囲む。驚愕し恐怖におびえる主婦。黒い服を着た俳優が進み出て言うのが、
「すべての先入観を捨てて」
そして横からのアングルへと変わり、両手にソーセージを持った俳優がそれを主婦たちに差し出すと、彼女たちはなぜか目を閉じて口を開き、手を使わずにそれを受け入れる。そこに俳優のナレーション。
「ただ、食べてみればいい」
つまり、ものを考えるな、検討するな、欲望のままに買い物籠へ入れろ、ということか。
黒ずくめの集団が女性を中心に円形に取り囲むカットは、まさに女性器の象徴であり、有名俳優がソーセージという「肉棒」を彼女たちに差し出すと、それを目を閉じ口を開いてくわえるというシーンも、企業（男性）が与えるものをうっとりとして受け入れろ、というメッセージに受け取れる。何気なく見過ごしがちな、ある意味どうでもいいコマーシャルなのだけれど、よく考えたらかなりターゲットである主婦たちの（フロイト的な）潜在意識を刺激することで購買へと導こうとしているのがわかる。お母さん、テレビはぼんやり見てたらやられます。
