てけれっつのぱ!

悪口雑言罵詈誹謗録

5月29日(金)

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 もうひとつの理由は、携帯電話の普及に伴い本が読まれなくなり、だんだんと収入が減っていったことです。20代で出版した『ゴールドラッシュ』(新潮社)は、初版5万部だったと記憶していますが、最近出版するものは初版1万部前後。これは私だけの問題ではなく、一握りの超ベストセラー作家以外の作家は総じて初版部数を絞られています。電車に乗るたびに、絶望的な気分になりますね。昔はたくさんの人が文庫や週刊誌を読んでいたのに、今はスマホ。それも電子書籍が読まれているわけではありませんからね。

--多くの作家が経済的に困っている状態ということですか。

柳 「書くことだけで食べている作家は30人ぐらいではないか」という話を聞いたのですが、かなりリアルな数字だと思います。ただ「貧乏は恥ずかしい」と考えている方が多く、公にしないだけだと思います。

 友人の作家は、1作当たりの販売部数が減ったことの対処として、出版点数を増やすことにしたそうです。私はそんなに量産できません。今回の『貧乏の神様』の前に出版したのは、1年前の『JR上野駅公園口』(河出書房新社)です。ある程度知名度のある作家の中には、大学や専門学校やカルチャースクールで教えたり、講演会やトークショーを頻繁に開いたりして、原稿料や印税以外の副収入に頼っている人もいます。私は講演会はほとんどしません。聞くところによると、講演会のギャランティもバブル期に比べて半分以下に減っているそうです。講演会収入で生計を立てていた作家も苦しくなっているようですね。

 

初代タイガー狭心症だった 現在は自宅療養中